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経営企画、事業開発に求められるのは「グローバルなパイオニアスピリッツ」
企業の経営戦略を練り、新たな一手を打つ役割にある、経営企画・事業開発職。ほかの職種に比べ、年収は比較的高い傾向にあります。中でも、企業の海外進出が加速する中、現地の商習慣や文化を理解し、現地企業とのM&Aやアライアンスを手掛けたり、事業戦略を練ることができる人材が、高待遇で採用されているようです。
「海外進出」と「ソーシャルメディア」関連の採用ニーズ高まる

株式会社クライス&カンパニー
マネージャー シニアコンサルタント
松尾 匡起 氏
転職マーケットにおける今のトレンドは「海外進出」と「ソーシャルメディア」。経営企画、事業企画職においても、この2つのキーワードに関連した求人が増えています。
まずは「海外進出」。内需のシュリンクが避けられない情勢となった今、アジアをはじめとする海外市場に活路を見出そうとする企業が増えており、海外進出が加速しています。
それに伴い、活発化しているのが、海外企業とのアライアンスやM&Aの経験を持つ人材の採用ニーズ。海外進出にあたり、現地の有力企業と手を組んでマーケットを獲得しようとする動きが高まっているためです。ただ、単に「アライアンスを組んだ」「企業を買収した」経験ではなく、その先のPMI(Post Merger Integration)の本質的な成功体験や、現地での具体的なビジネス拡大経験があることが求められます。
次のキーワードである「ソーシャルメディア」は、この業界自体が急速な成長過程にあります。SNS各社は現在、海外進出によるプラットフォームの拡大に注力しており、そこに纏わる多くの職種で採用が活発化しています。
その中で、企画系職種に求められているのは、「プラットフォーム拡大の方向性」を考え、策を練ることができる人材。各社とも、海外を主戦場にすべく動いていますが、どの国のどのエリアで、どの領域に注力して事業拡大すべきか、そしてどの会社と連携すればさらにビジネスが拡大できるか、グローバルな視野で細かな戦略を立てられる人材が必要とされています。
ソーシャルメディア関連の採用ニーズも、当面右肩上がりが続くと見られますね。ある大手老舗コンシューマーゲーム会社の売上高国内・海外比率はおおよそ2:8ですが、ソーシャルメディア業界全体の売り上げ構成も、この比率に近付く動きになるとみられます。SNS各社とも、海外事業はまだ緒に就いたばかり。海外開拓を担う企画職の必要性は、今後も増す一方と見られます。
現地の商習慣や文化を理解し、自社ビジネスを適応させる力が必要不可欠
「海外進出」「ソーシャルメディア」の2つのキーワードについて説明しましたが、いずれも“活躍の場は海外”です。そのため、採用の際は、英語をはじめとする「語学力」は必須の能力として見られます。加えて、語学力をツールとして使いこなせるだけのビジネス的な視点、現地の商売慣習や文化、嗜好性を十分に理解しているかどうかが重視されています。
例えば、現地企業とのM&Aの際。M&A先企業の事業戦略や企業方針、企業文化を十分に理解した上で、自社とうまくマージさせるのは経営企画、事業開発職の役割です。その手腕ひとつで、現地でのビジネスが軌道に乗るか否かが決まってしまうと言っても過言ではなく、「現地を理解する力」は今まで以上に求められています。SNSのプラットフォーム事業も同様。国ごとに、どのようなサービスが歓迎されるのかを、現地の人の視点に立って考えられることが何より重要です。
求められるクラスとしては、30代前半から40代半ばの、いわゆる「プレーイングマネージャー」。現場のスタッフを取りまとめながらも、自らもフットワークよく動き、現地企業やスタッフ、取引先とコミュニケーションが取れる人材が求められます。単身で海外企業に乗り込み、自ら交渉して契約締結までつなげられる人であれば、非常にニーズが高いですね。
年収は800〜1500万円の間が多いですが、企業が求めるズバリの経験を持つ方であれば、上記を超える水準の給与が提示されるケースも散見されます。
最近では、大手家電メーカーの経営陣直轄の特命チームに若くして所属し、さまざまな海外M&Aを手掛けた実績を持つ40代半ばの方が、SNS企業の海外現地法人立ち上げ要員として年収2000万円で採用された事例があります。経験されてきた事業領域は全く異なりますが、海外M&Aの最前線でタフなPMIのご経験をされてきた点に加え、経営陣直轄のスピード感の中で鍛えられてきたビジネスセンスが高い評価につながりました。
なお、SNS各社の企画職においては現在、「異業界のトップクラス企業」の出身者が歓迎される傾向にあります。ビジネス規模がワールドワイドになるにつれ、「大企業出身者ならではの大きな規模の商売経験」が必要不可欠になっているためです。少し前までは、中小規模のインターネット企業出身者が企画職にて採用される例もありましたが、今ではあまり見かけなくなりました。
この手で市場を開拓したい、さらに上を目指したい人には絶好の機会
経営企画職、事業開発職の方々には、「チャレンジングな仕事に転職するなら、今が絶好のチャンス」とお伝えしたいですね。なぜなら今、企画職を採用している企業は、いずれも「海外戦略にいち早く着手した、アグレッシブで成長力のある企業」ばかりだからです。
日本経済に明るさが見えない中、海外に進出する企業は今後も増え続けると見られるうえ、ソーシャルメディア各社も海外でのビジネス拡大が本格化する見通しにあります。そのため、今後はあらゆる会社が追従し、海外要員の採用に着手していくでしょう。
そして先行事例が少ない中、「他社の先陣を切って海外に攻めて出た企業」で得られるものは大きいはず。自らの手で、新たな市場を開拓する過程で、今までの経験を存分にアウトプットできるでしょうし、パイオニアスピリットも磨かれるはずです。
逆に言えば、「高年収は得たいが、今より忙しくなるのは避けたい」という人には、動き時とは言えません。今、経営企画、事業開発職が求められるフィールドにおいては、自ら市場を切り開く気概が何より必要とされています。当然忙しく、責任も重い立場になります。しかし、開拓者として自分の手で種をまき、その事業が育っていく過程を見られるのは、企画職でこそ味わえる醍醐味です。そして、そのやり甲斐あるビジネスの結果として、思わぬ高収入が自身に跳ね返ってくることも期待できるでしょう。









